市長所信表明(令和元年田原市議会第2回定例会)

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ページ番号1006331  更新日 2019年6月10日

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市長所信表明

写真:令和元年田原市議会第2回定例会のようす

(令和元年6月10日)

はじめに

皆さん、おはようございます。
田原市議会 令和元年第2回定例会の開会にあたり、市政運営について所信表明の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、このたびの市長選挙において、引き続き市政の舵取りを任せていただくこととなりました。
このことは、大変光栄なことでありますとともに、その職責の大きさに身が引き締まる思いです。改めて、初心を忘れることなく、市民の皆さんの期待に精一杯応えていかなければならないと、決意を新たにしているところであります。

1期目の振り返り

私は、4年前の市長就任時に、「渥美半島を元気に!」との強い思いのもと、「農業・漁業・商工業・観光でにぎわう田原市」、「子どもからお年寄りまで、豊かな希望を持てる田原市」、「誰もが安心して暮らせる、やさしい田原市」の3つの目標を掲げました。
そして、それらの目標を実現するために、具体的な事業に取り組み、ひとつひとつ着実に前に進んでまいりました。
本日は、就任2期目にあたりまして、市政運営の基本的な考え方を述べさせていただき、議員各位をはじめ、広く市民の皆さんのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げる次第です。

市を取り巻く状況

はじめに、1期目から最重要課題として位置づけて取り組んでまいりました、本市にとって未来に向けた課題である幹線道路の整備について、また、平成の最後に発生した豚コレラへの緊急対策についてご説明申し上げます。
 
渥美半島が元気になるために、最も重要なことは道路整備です。
全国有数の農業や工業を支え、観光による交流人口の拡大を図るためには、高速道路のインターチェンジまで1時間以上という、本市の脆弱な道路環境を克服しなければなりません。
物流面や観光面だけではなく、救急時の医療搬送や津波など災害時に、市民の命を守るための緊急輸送路としても、不可欠なものです。
浜松三ケ日・豊橋道路から渥美半島の先端まで、半島を縦貫する信号のない道路を実現するため、今後も国や愛知県に積極的に働きかけを行うなど、早期事業化に向けて全力を尽くしてまいります。
 
次に、豚コレラの発生に伴う対応と今後の対策についてです。
昨年9月に、国内で26年ぶりに岐阜県において豚コレラが発生して以降、本市では、畜産農家の皆さんと協力し防疫対策を継続してまいりましたが、残念ながら本年2月から5月にかけて、市内養豚場での感染が確認されてしまいました。
愛知県による関連農場の防疫措置には、発生当初から本市職員も協力するとともに、農家の皆さんと連携し、感染の拡大防止に向けて努力してまいりました。
また、国や愛知県に対しましては、市議会および地元農協とともに、ワクチン接種による防疫対策や経営再建に向けた支援、野生イノシシの感染防止について要望活動を行いました。
このうち、野生イノシシへの経口ワクチン投与については、すでに県内では実施されており、今後、終息に向けた第一歩になればと期待しております。
県下有数の養豚産地である本市の畜産農家の皆さんが、安心して経営ができるよう、国や愛知県としっかりと協力して再建に向けた負担軽減を図るとともに、風評被害が広がらないよう、万全の対策を講じてまいります。

市政運営の基本姿勢

私は、就任以来、繰り返し「渥美半島を元気に!」と発信してまいりました。
さまざまな分野で一定の成果が出ているところでありますが、渥美半島にはまだまだ大きな魅力と可能性があります。
今後の4年間も、引き続きこの思いを基本姿勢として、これまでの取組をさらに充実させるとともに、新たな取組についても進めてまいりたいと考えています。
本市の持続的な発展を見据え、関係機関や市民の皆さんと一緒になって、さまざまな課題に積極的に取り組むことにより、皆さんが安心感を抱き、誰もが夢を持てるよう、元気な渥美半島の実現に向けて、まい進してまいりたいと考えております。

重点的な取組

それでは、市政運営につきまして、重点的な取組の方向性をお示ししたいと思います。
 
1つ目といたしまして、日本一の農業、全国有数の工業、豊かな海に支えられた漁業、資源豊富な観光業など、「地域の特色を活かした産業の振興」に力を入れてまいります。
農業や漁業などの第一次産業では、生産性の向上や基盤整備を進めるとともに、後継者確保のため多様な担い手を育成してまいります。さらには、6次産業化により新たな付加価値を生み出す取組や海外への販路拡大などを支援してまいります。
商工業では、中小企業者の育成・支援はもちろんのこと、ブランド認定制度などにより、特色ある商品の開発や販路拡大に取り組むとともに、田原公共埠頭のマイナス10メートル耐震強化岸壁の整備を促進し、新たな企業誘致に努めてまいります。
また、交流人口の拡大を図るため、新たに伊良湖地区で温泉資源の活用に取り組むほか、昨年開催した「全国どんぶりサミット」の効果を継続させ、地域経済への波及効果を高めてまいります。
さらには、「田原市サーフタウン構想」を推進し、サーファーをはじめとする若者・子育て世代の移住者を増加させるため、本市の強みである地域産業や美しい自然について発信するなどの取組を進めてまいります。
 
2つ目といたしまして、「出産・子育て・教育環境」を充実させます。
本年4月に、親子交流館「すくっと」がオープンしました。
この施設には、屋内に大型遊具やボルダリングコーナーがあり、雨の日でも多様な世代が楽しく遊び、交流することができ、このゴールデンウィークも多くの子どもや親子連れで大変にぎわいました。
また、子育てに関する総合相談窓口を開設しており、「気軽に相談ができ、とても心強い」とのご意見もいただいております。
この「すくっと」を子育ての拠点として、親子の交流や情報交換、育児に関する相談などの機能をさらに充実させることにより、妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポートを行い、安心して子どもを産み育てることができるよう、保育においては、土曜日集合保育や休日保育による「365日保育」を継続するとともに、今年度から「病後児保育」の実施に向けた準備を進め、子育てと就労等の両立を支援してまいります。
 
教育環境では、「伊良湖岬小学校の整備」を進め、その他の学校についても、教室棟や体育館などの改修を計画的に行うとともに、「エアコンの設置」や「トイレの洋式化」を早急に実施してまいります。
特別支援教育については、長時間通学による児童生徒への負担が大きな課題となっており、この課題解消に向けて愛知県への要望を行っているところです。
また、児童生徒一人ひとりに対応した教育を充実させるため、外国語教育推進コーディネーターや部活動指導員などの多様な人材を配置し、児童生徒の学力向上と生きる力の育成、教員の多忙化解消を図ります。
さらに、本年10月には旧野田中学校に「ふるさと教育センター」を開設し、本市の教育機能と文化財の整理・収蔵機能を集約することにより、郷土に対する愛情をはぐくむ「ふるさと学習」を充実させてまいります。
 
3つ目といたしまして、「福祉・医療」を充実させます。
 「福祉」につきましては、高齢者や障がいのある方が安心して暮らせるよう、「介護保険サービス」や「地域包括ケア」などの充実を図ってまいります。
介護保険事業については、昨年度から東三河広域連合による運営がはじまっており、8市町村で一体となって取り組んでいるところです。
本市では、平成8年に全国でも数少ない公立の介護福祉士養成校として、田原福祉専門学校を開校し、この地域の介護人材の確保に努めてまいりました。
しかし、介護を取り巻く状況は大きく変化してきており、特に多様なニーズに対応した人材の育成が急務となっています。
今後は、本市の介護教育をさらに充実させ、より高度で多様な人材育成を進めるため、田原福祉専門学校の運営について民間活用も視野に入れた検討を始めてまいります。

「医療」につきましては、誰もが安心して暮らせる医療基盤の確立のため、地域の拠点病院であります「渥美病院への運営支援」を継続して実施するとともに、昨年4月に開設しました「赤羽根診療所」につきましても、しっかりと運営してまいります。市民が安心して健康に暮らせるよう、関係機関と一体となって健康増進のための取組を進めてまいります。
 
4つ目といたしまして、「安心・安全で快適なまちづくり」を進めてまいります。
 急速な人口減少を克服するためには、市街地に賑わいを創り出し、定住促進を図ることが重要です。
都市拠点である田原市街地はもとより、サブ拠点である赤羽根地区の土地区画整理事業や福江地区の市街地活性化について、地域の方々のご意見を聞きながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

また、街路や公園などの都市基盤を充実させるとともに、空き家対策などにより未利用地の有効活用を図り、居住環境の整備を図ってまいります。
 
防災面では、津波対策の充実を図るため、昨年、津波避難マウンド「ほりきり広場」が完成しました。今後は、津波被害が危される小中山地区において、津波避難施設を整備してまいります。
また、常備消防力の強化や自主防災組織の活動支援に取り組み、市民の皆さんの命を守るため、安全で災害に強い地域づくりを推し進めてまいります。

行政改革

最後になりますが、今後は予算規模の縮小により、厳しい財政状況が続くものと想定されます。こうした中でも、将来を見据えて必要な投資は行っていかなければなりません。
削減できるものは削減し、投資すべきものには投資し、質を高めていくことが重要です。今後も着実に行財政改革を進め、サービスの最適化を図るとともに、さらなる財源確保に向け、創意工夫に努めてまいります。
 
現在、令和3年度の供用開始に向けて新斎場の整備を進めておりますが、本市の多くの公共施設は、建築後30年以上経過しており、今後、老朽化による建て替えや大規模修繕などが必要になってまいります。
各施設の長寿命化対策を進めるとともに、民間活用や統廃合も含め、積極的に費用縮減に取り組んでまいります。

おわりに

以上、市政運営に関しましての基本方針として、所信の一端を申し上げてまいりました。
冒頭に申しましたとおり、渥美半島を元気にし、誰もが訪ねてみたい、住み続けたいと思えるようなまちづくりが、私の目標でございます。
この地域が持つ魅力を磨き、誰もが誇りを持つことのできる元気な渥美半島を、ぜひとも一緒につくってまいりましょう。
おわりにあたり、改めて市民の皆様並びに議員の皆様に、格別なる市政へのご理解とご支援を賜るようお願い申し上げ、私の所信表明といたします。
ありがとうございました。

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